すりごま
 「ごまをする」は、江戸時代後期の随筆に「※胡麻を摺ると云うこと流行して」当時から現在のような意味で使われていた流行り言葉のようです。では、「なぜごまをする」ことが人に媚へつらうこになるのか。ポイントは、「ごまをする」行為そのものではなく‟すったあと”なんです。実際にごまをするとすりつぶされたごまがあっちこちベタベタくっつきますよね、このごまの様子がその時々の都合で他人に迎合する人や偉い人に媚へつらうことに通じると江戸の人は考えたんです。すなわち、「ごまをする」の由来は、胡麻がすり鉢にくっつくことから。
ちなみに「すり胡麻」は「当たりごま」とも呼ばれます。するのは、縁起が悪いということで「するめ」を「あたりめ」と呼ぶのと同じことなのです。 
※江戸後期の随筆『綺語文草』から