金栗
 陸上競技というのは、主にトラックだったり道路などで「走る」「跳ぶ」「投げる」を中心とする競技の総称です。
 その歴史は、とてもとても古く紀元前776年の第1回古代オリンピックにまでさかのぼります。
 もっともその時に行われたのは、およそ190mの距離を走る短距離走「スタディオン走」というものでした。
 その後、徐々に種目が増えていって、現在では48種目もの陸上競技がオリンピックにて開催されています。 
 短距離走で使われるクラウチングスタート、実はある動物の動きをヒントに考案されたのですが、その動物はなんでしょうか。
 答えは、カンガルーです。発祥については、諸説あるのですが、考案者はオーストラリア人のスポーツジャーナリストの方で、カンガルーが低姿勢で両手を前に付き、起き上がるように走り出す姿を見て、これは初速からスピードが出るのではないかと思ってこの姿勢によるスタートというのを思いついたそうなんです。


ギネス世界記録にも登録されているオリンピックのマラソン最長記録は54年8か月6日、5時間32分20秒3

この記録を持っているのは、日本人です。日本人初のオリンピック選手、金栗四三(かなぐり しそう)【マラソン】さんです。1912年のストックホルム大会、金栗さんは、日射病によってレース中に失神してしまいます。近くの農家の方に介抱されたもののレースは「行方不明」という公式記録になってしまったんです。そして、時は流れて1967年同じストックホルムで五輪開催55周年を記念する式典というのを開催されたのですが、ここで当時の記録に気付いた関係者がなんと、金栗さんを招待したんです。55年前のレースの続きをしましょうということで再びトラックを走ることになった金栗さん、そして、結果として、この驚きのギネス世界記録が誕生したわけです。